ブッテーロ エイジング
ブッテーロのエイジング(経年変化)はゆっくりと時間をかけて進んでゆきます。ブッテーロはイタリアのタンナーが製造するフルベジタブルタンニン鞣しの革で、一枚一枚丁寧に、製造されています。
また革の表面を隠さない仕上げが施されているので、それぞれに個性が現れ、革好きにはたまらない一品です。
ブッテーロは現在HEDGEでは取扱いのない革ですが、数年前まで使っていた長財布が出てきたので、現在も使っている免許証入れと、丁寧に保管していた未使用のブッテーロを並べてエイジングの具合を比較しました。
ブッテーロはイタリアのトスカーナ地方で作られるヌメ革です。タンニンで鞣され、たっぷりのオイルを染み込ませた染料仕上げの革は、長い長い時間をかけてエイジングされていきます。
今手元には数年前まで使っていた長財布、現在も使っていて、かれこれ10年目位になる免許証入れがあります。この二つと未使用のブッテーロを比較しました。新品のブッテーロは若々しく美しい色合いのとても魅力的な革です。最初この色味に惹かれて持ち始めたのが懐かしいです。しかし長年の使用でエイジングが進み色味を増したブッテーロは新品の物とは全く違った魅力を持っています。免許証入れと長財布はどちらも同じブッテーロのグリーンです。どちらも長い使用で、革の中のタンニンとオイルが反応して深い緑に変わり、味わいを増しています。
ですが今も使っている免許証入れの方がより濃い緑に変化しています。長財布もかなり長く使っていい色に仕上がったと思っていましたが、こうして免許証入れと比べて見るとまだエイジングの途中だったことが分かります。
免許証入れの方はこれからも大事に使っていくつもりですが、まだまだ味わいを増していくと思うと、ますます愛着がわいてきます。
自分自身たまに「年を取ったなぁ」とセンチメンタルな気持ちになる事があるのですが、その横で革も一緒に年を重ねていたのだと思うと悪くないものです。
工房スタッフも長い間ブッテーロを愛用しています。長財布がブッテーロのネイビーで製作したものです。
免許証入れがブッテーロのピーコックブルーで製作しています。新品のピーコックブルーは青みが強い状態ですが、エイジングにより黒さが増しています。黒さの中にほんのり青色が見える様子がとても上品な雰囲気を出しています